class: title, smokescreen, shelf, no-footer # コラム<br>大学院と学部卒就職について考える <div class=footnote> <small><small> 2023/04/13版 </small></small> </div> --- class: compact # あなたは、どっち派? <div class=footnote> <small><small> (脚注1) 最後は各自の人生観だと思います。だから決め手はないんですけどね〜 <br> (脚注2) 裏側が推測できる人は、 少し難しいトラブルの推定や、 その際のエラーメッセージの意味が理解できると思います。 <br> 仕事で使うことは滅多に無いでしょうが、 <B> 知らないのと、 知っていて(あえて)忘れているのは大違い </B> </small></small> </div> <small> 1. いまいますぐすぐ**実戦経験**をつみたい - 腕を磨いて**叩き上げ**ていきたいっす - **モノ(本物の機材)をいじりたい**よ! - インフラの場合、これは大きな差です。 最先端のネットワーク設備とか、 10万台のPCで好きにGoogleみたいなものをイジり倒したいなら、 GAFAMに就職した方がいい。 教育機関には世界中どこにも設備がない (注: うちで、せいぜい25〜100台の(個人向け)PC群くらい <- これでも多い) 1. **基礎**をきちんと学んでおきたい <small>-- (知らないのと、知っていて(あえて)忘れているのは大違い) --</small> - みなさん**10年20年30年先も技術をやっていたい**ですか? そういった**長いスケールで重要**になると思います (うちは、いつも、そういう話をしています) <small> 例: アーキテクトになりたい </small> - 今、AWSでの構築を週に3コマやっているわけです。 これでAWSの**操作法**には詳しくなれるし、 AWSの資格試験の勉強にもなるでしょう - では、みなさん、**AWSの裏側**や **gmail, google drive の動作原理**が推測できますか? - **フタを開けたい派**はコッチ(裏側を知りたい)派ではないのかな〜??? </small> --- class: compact # ある日AWSが突然わいて出てきたわけでもない <div class=footnote> <small><small> (脚注) <b> 社会人は忙しいので勉強する暇などありません。 もし勉強する暇がとれるなら資格試験の勉強をするでしょう </b> </small></small> </div> <small> - AWSやGoogleが、ある日とつぜん湧いて出てきたわけではありません - これらの分散システムの背景には、 1970〜80年代の分散オペレーティングシステム(OS)で研究開発された経験や基礎理論があります。これらのシステムが直接役にたつわけではないけれど、理論は重要 - 代表的な分散OS"Mach(マーク)"は、 MacOSX直系の御先祖で、 WindowsはMachを手本にして設計 - 分散OSの基礎理論を勉強する暇はなかなかない - そもそも科目「ネットワーク」も「OS」も、 授業の各回に数百頁〜1000頁超の参考文献が背景にあります。 それ+実地経験がないとプロにはなれないよん - それ以前に普通のOSが分からないと分散OSは無理やろ - **OS内部(kernel)の勉強**は、実際に動くOSのソースコードを読むのが一番。 **最低限なら1万行**でOK。 **じっくり1万行を読み解こう**。 **でも、この暇が社会人には無い** <br> 1万行わかっていれば、現在の1000万行超えのコードも読めるはずなのです。 なぜなら、 本質的な部分はほぼ同じなのにコードが膨れ上がるのは、 エラーチェックやassertとか、オプションのせいなので、 そこを読み飛ばせば本体は短い - 注: 春学期の授業は「OSの使い方」の修行であってもOSの中核部分の勉強ではありません </small> --- class: compact # モラトリアムの時間が確保できるならそのほうがいい <div class=footnote> <small><small> (脚注1) モラトリアム ... 精神分析学者E.H.Eriksonが命名した用語(経済学あたりから転用した用語)。 青年期から大人への移行期で、社会的責任を一時的に免除or猶予されている期間のこと。 本来はネガティブな意味合いではない <br> (脚注2) モラトリアム世代 ... 1970年代末〜80年代の若者をさして否定的な意味合いで使うことが多いか? 代表する作家は高橋留美子だろう。 この時期の連載が「うる星やつら」と「めぞん一刻」(ほぼ同時に連載開始) 特に「めぞん一刻」が、この時代の象徴的な作品。 一刻館で始まって一刻館で終わる(ループしてる)ので分かりやすいでしょ:-) あと、もっとわかりやすい「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」もあるよ (<- この映画(押井守の代表作)、原作者は嫌いらしい;痛いところをつかれてるの?) <br> (脚注3) <B> 磁石はNとS=0と1なので、 neural networkは磁石とテクが一緒じゃん!と物理の人が楽しそうにいじくってたの </B> </small></small> </div> <small> - もちろん、先立つモノが必要ですし、最後は人生観だと思うので、別に薦めないけど - **思いこみ**?あるよね。いちど立ち止まってたら? まっしぐらにつっこんでる感が危ないと、いつも思う - **科目にひきずられすぎ**だよ。 あっちこっちの先生に専門紆余曲折とか聞くと面白いと思うよ <small> - 学部 ... 一般相対性理論 - 修士課程 ... 特殊な形の磁石の性質がどうたらこうたら (注: ガチの磁石,neural networkではない) - このころ商用インターネットが解禁、 Unix、 学内ネットワーク管理、あとフリーソフトウエア作ってました - 博士課程 ... 1/fゆらぎ(非線形力学,カオス,複雑系,数値計算); <small>就職先は、ススキノで見つけよう!お〜!みたいなみたいな</small> - 就職先 ... 日本で最初のインターネットサービスプロバイダ(IIJ) </small> </small>